RCEPとは?
引用:RCEP

RECPって何?

アジア圏の国が結んだ大型自由貿易協定だよ。

自由貿易協定(FTA)って?

関税を撤廃して、物や人の流れをスムーズにする約束事だよ。
TPPも自由貿易協定(FTA)に含まれるんだ。

TPPと何が違うの?

加盟国と規模が違うよ。
今回はそこら辺も詳しく解説していくよ!
RCEP(東アジア地域包括的経済連携)とは
アジア圏の大型自由貿易協定(FTA)のことを指します。
読み方はRCEP(アールセップ)。
TPPと同じように輸出・輸入の際の関税を撤廃し、
物や人の流れを円滑にするのが目的です。
2013年から日中主導で8年間交渉し、2020年11月15日署名されました。
世界最大の自由貿易協定。
日本にとっては中国、韓国との間で締結される初の経済連携協定となります。
TPPよりは基準が緩いというのが最大のポイントです。

2022年1月1日に発行されました。
加盟国
日本、中国、韓国などアジアが中心で、
経済力の大きな中国と日本が先導した形。
日本・中国・韓国・ASEAN10ヵ国に、
オーストラリアとニュージーランドを加えた15カ国が参加しています。
規模
・世界の人口の3割
・世界のGDPの3割
をしめる。
※TPPの規模は世界のGDPの12%
アメリカ | EU | TPP | RCEP | |
人口(億人) | 3.2 | 4.4 | 5 | 22.6 |
GDP(兆ドル) | 21.4 | 18.7 | 11.2 | 25.9 |
RCEPの原則
① WTO協定との整合性が取れていること
② 既存のASEAN+FTAを大きく上回る改善
③ 貿易と投資の円滑化と透明性を向上させること
④ 加盟国の発展段階によって配慮がなされること
⑤ 加盟国における既存のFTAの存続
⑥ ASEANのFTA パートナー国や域外の経済パートナー国がRCEPに新規参加できるよう、開かれた加盟条項の設定
⑦ 途上国への技術協力や能力開発
⑧ 物品・サービス貿易、投資およびその他の分野の交渉を並行して行うこと
RCEPにおける交渉分野
① 物品貿易
② サービス貿易
③ 投資
④ 経済・技術協力
⑤ 知的財産権 ⑥ 競争
⑦ 紛争解決
⑧ その他
メリット・デメリット
メリット
基本はTPPと同じです。
メリットとして挙げられるのが、
加盟国との貿易がさらに活発になり、日本のGDPが大きくなる
という点です。
日本の輸入の50%がRCEP加盟国からされ、
輸出の43%が加盟国へ流れます。
詳しくはTPPの記事で↓

デメリット
デメリットとしては、
・海外の商品が日本へ安い価格で輸入されること
・知的財産権の侵害
が挙げられます。
それによって国内の生産者や企業は価格競争に
巻き込まれることが懸念されています。
その中でも農業の問題点が大きく取り上げられましたが、
米・麦、牛肉・豚肉、乳製品などの重要5品目は関税削減・撤廃の対象から
除外されることとなりました。
また、知的財産権の侵害も懸念されています。
具体的には、中国などから偽物のブランド商品が輸入されて
市場を荒らしてしまうことも問題点として挙げられています。
詳しくはTPPの記事で↓

内容
加盟国の80~90%の関税を撤廃します。
例えば、自動車部品や家電、鉄鋼製品などの日本から輸出する工業製品は
91.5%の品目について関税が撤廃されました。
中国への帆立貝の輸出やインドネシアへの牛肉、
中国と韓国への日本酒・焼酎は段階的に関税が撤廃されます。
中国製の冷凍野菜惣菜や紹興酒、韓国のマッコリなどは
段階的に関税が撤廃されます。
ただし、日本が「聖域」と指定する品目については
TPPと同様に、関税は据え置き。
(コメや牛肉・豚肉、乳製品などの重要5項目)
RCEPでは農林水産品や工業製品などへの関税の減免に加え、
輸出入の手続きの簡素化、サービスや投資のルールなど
さまざまな分野について定められており、
参加国全体での関税の撤廃率は品目数で見ると91%となっており、
これは撤廃率の品目数が99%以上のTPPなど
他のFTAと比較するとやや低い数値と言えます。
各国の思惑
インド
引用:インド
交渉の途中でインドはRCEPから離脱を表明しました。
→理由は安い中国製品がインド国内に入ってきて、
国内産業をつぶしかねないと考えたからです。
また、インドと中国は国境の問題を抱えているため、
中国に貿易依存するのを嫌っています。
インドは当初、中国主導のRCEP、アメリカ主導のTPPに
加盟を表明していましたが、
アメリカがTPPを離脱すると、RCEPへの参加も見送りました。
インドは長年、中立(どこの国とも同盟を組まない)を外交方針にしており、
RCEPで中国への依存度が高まると中立を保てなくなると
考えたようです。
しかし、中国に次ぐ人口を持つインドは何としてでも加盟してほしい各国は
「インドが申し出れば、すぐに交渉を再開させる。」
と特例を設けました。
中国
RCEPは中国主導の貿易協定です。
TPPは難しいから、それよりも
基準が低いものを自分たちで作ればいいという発想。
アメリカ主導のTPPはアメリカ自身が離脱して自爆したから、
その間に世界の貿易の覇権を握ろうと考えたのでしょう。
日本
RCEPとTPPに両方とも日本は主導していました。
その思惑は中国の影響力拡大を阻むためです。
もし、中国がアメリカに代わる覇権国になったら、
確実に日本は国際的に締め出されるでしょう。
中国大陸と併合される可能性もかなり高いです。
実質、中国の植民地支配を受けることになります。
それを阻止すべく、日本はアメリカがいないときでも、
影響力を維持しようと考えたのです。
今回紹介した内容がわかりやすくまとまっている動画がこちら↓
【アニメで解説】RCEPとTPPって一体なんですか?中国との関係は? – YouTube
コアラ先生の動画は時事をわかりやすくまとめているので、
おススメです!