TPPとは?
引用:TPP
ニュースで出てくるTPPって何?
国と国同士の貿易協定だよ。
いわゆる、貿易をする上での約束事。
なるほどー。ニュースで取り上げるほど重要なの?
もちろん!特に自動車産業と農業には深い関りがあるよ。
こんな方におすすめ
- TPPについて詳しく知りたい!
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- できるだけわかりやすく解説してほしい
TPPとは?
引用:tpp
「環太平洋パートナーシップ」
または
「環太平洋連携協定」
などと呼ばれます。
目的としては、
太平洋を基準にして自由にモノやサービス、
投資などが行き交う一つの経済圏を構築することです。
関係国ならびに世界経済のさらなる発展を目指します。
現在、日本は少子高齢化がかなり進行しており、
国内市場が縮小しつつあります。
国力の低下を防ぐために
海外市場を広めようとする政策だと言えます。
アメリカと日本が中心となり、
2013年に発効した自由貿易協定。
しかし、アメリカが離脱したことにより、
現在はTPP12と呼ばれることもああります。
※2023年にイギリスが正式加盟
加盟国は12か国。
最初はアジアを中心として加盟国のみでしたが、
イギリスが加盟したことにより欧州にも拡大しました。
詳しくはこちら↓
目的とメリット・デメリット
目的
①関税の撤廃
②貿易ルールの統一
主な目的は上の2つです。
EUの太平洋版と考えるとイメージが付きやすいかもしれません。
太平洋圏内を一つの経済圏と捉え、
TPPを通じて一つの自由貿易の経済圏を作り上げること
を目的として、創設されました。
メリット
日本の商品が海外でも売れる。
←関税撤廃により、海外でも安く売れるから。
特に自動車産業は利益を受けることができます。
日本の高品質の自動車を海外で安く売ることができれば、
海外での影響力拡大や税収増が見込めます。
デメリット
日本の農作物が売れなくなり、
国内の農業が衰退する可能性があります。
←海外のものが安く大量に入ってくるから。
また、デフレが進行してしまうのも懸念点です。
日本の農作物が高いのは国土が狭く、
一度に大量生産ができないのが大きな要因です。
また、山林が多いため農地面積は先進国の中でもかなり小さいです。
しかし、海外では広大な土地を活かして、
大量に農作物を作ることができるため、安く売ることができます。
一度に大量に生産できるので、
1個あたりの値段を安く設定できるのです。
特に、食料自給率の低い日本は
さらに低くなることが心配されています。
日本の方針
先であげたように日本の農業が衰退してしまうという側面があるTPP。
政府は「聖域」と呼ばれるものを設けて、
「該当品目には関税撤廃をしない」
と決めています。
該当は「米、小麦、砂糖、乳製品、牛肉、豚肉」
歴史
最近
2008年 TPP交渉開始
2016年 署名
2017年 アメリカがTPP離脱(トランプ政権)
2018年 11か国で発効(TPP11)
2021年 2月 イギリスが加盟を正式申請
2021年 9月 中国、台湾が加盟を正式申請
2023年 3月イギリスが正式加盟+2018年に署名した国すべてで発効
かなり前
1948年 GATT体制
1995年 WTO(世界貿易機関)の発足
→GATTの役割を発展的に引き継ぐ。(紛争手続きなど)
しかし、参加国が増えるにつれ、利害関係が衝突し、機能不全に。。。
2000年 FTA・EPAの急増
→WTOが機能不全になったことで、2か国間あるはグループでの経済協定が急増。
例外的に認めることで、自由貿易を推進しました。
アメリカが離脱した理由とは?
トランプ政権に変わったときに、アメリカはTPP離脱を表明しました。
理由は、国内産業、特に「重厚長大産業」の保護です。
農業に弱く、工業に強い日本とは反対に、
アメリカは農業に強く、工業に弱い国。
かつてのアメリカを支えていた鉄鋼業や重工業が
集中するペンシルベニア州やオハイオ州は「ラストベルト」と呼ばれ、
経済発展から取り残され、多くの住民が苦しい生活を余儀なくされていました。
TPPによって、海外の優れた工業製品が安く国内に流入すると、
アメリカの企業はこれに対抗してより人件費の安い国に工場を移転し、
製品価格を下げる必要に迫られます。
=(デフレを懸念した)
すると、国内の産業や雇用が失われることになるのです。
多くのアメリカ人が打撃を受けるのは明白。
トランプ大統領は選挙時に、
彼らからの票を獲得するために「アメリカ・ファースト」を公約に掲げ、
当選後は公約通りにTPPから離脱したのです。
その後もトランプ大統領は、
自由貿易に背を向けるような保護主義の政策を展開していました。
しかし、アメリカ国内の経済学者でもTPP脱退したことで
「年間1000憶の損失が出ている」
と主張する専門家も多くいます。
中国の対応
中国の習近平国家主席は
「TPPの参加を積極的に検討する」
と表明しました。
しかし、現在のTPPのルールでは中国の参加は不可能です。
そもそも共産主義国家の参加が困難な枠組み。
中国のこうした発言は
「俺が入るためにルールを変えろ!」
と言っているのです。
アメリカが参加していない今がチャンスと見て、手を打ってきたようです。
2021年9月下旬に中国はTPPへの加盟を正式申請しました。
それに続き、すぐに台湾も加盟を正式申請。
加盟するには加盟国すべての承認が必要となります。
TPPに中国が加盟すれば、後から台湾が入ることは不可能です。
中国がTPP加盟できない理由
TPPには高い水準でルールが決められています。
中国政府がこれらを満たすのは不可能だと多くの専門家が主張しています。
少なくとも、
中国のTPP加盟が難しい理由は3つあります。
①中国政府の不透明性
TPPの禁止事項には
「国有企業への優遇や補助金で自由競争をゆがめること」
があります。
TPPは「自由な貿易」が原則なので、
中国政府のような企業への介入は皆無です。
また、
・政府調達の際の外資排除
・国外へのデータの持ち出し禁止を含めた強権的な自国優遇策
も禁止です。
中国はいまだに日本の福島県など10の県や都の農産物や水産物について
輸入停止を行っています。
なぜか?
「東京電力福島第一原子力発電所の事故のせい」
というのが中国政府の主張です。
しかし、これらには科学的根拠がなく、単なる政治利用にすぎません。
原発処理水反発も科学的根拠がありません↓
TPPは科学的でない輸入規制は禁止しているので、
今までの主張を撤回する必要があるのです。
②複数の国との領土問題
中国は現在、多くの国と領土問題を抱えています。
代表的なのが南シナ海です。
南シナ海についてはこちら↓
簡単に言うと、
周辺の国(ベトナム・フィリピンなど)と中国が領有権を主張していましたが、
問題は未解決のまま。
話し合いが行われていましたが、
中国がいきなり南シナ海を埋め立て、軍事拠点化したのです。
オランダの国際司法裁判所で
「中国政府の対応や主張は認められない」
と即刻辞めるように要求されました。
しかし、中国政府は聞く耳を持たず、いまだに軍事拠点化が進められています。
むしろ、大型の船を停泊させるなど周辺国を威圧するような
対応を取っています。
③他国への敵対的な行動
南シナ海以外でも中国は威圧的な行動をしています。
例えば、日本の尖閣諸島です。
尖閣諸島についてはこちら↓
また、台湾においても武力行使をにおわせていたり、
周りを空母や駆逐艦で取り囲むなど軍事的圧力を強めています。
このような問題があり、中国は全加盟国の承認が難しい状況です。
加盟申請中の国
現在、加盟申請中の国は
①イギリス(2021/1) 済み
→2023年3月中に正式加盟
②台湾(2021/9)
③中国(2021/9)
④韓国(2021/12)
となっています。
参考動画はこちら↓