北方領土問題
日本では周りの国と領土問題がいくつもあります。
その一つが北海道周辺の島「北方領土」です。
他の領土問題はこちら↓
最近では北方領土で軍事訓練が頻繁に行われたりと
厳しい国際情勢があります。
日本人として、これらの領土問題に関心を持つことは重要です。
今回はその中でも北方領土に関して焦点を当ててみたいと思います!
北方領土とは?
北海道の北東沖にある
・択捉島(えとろふとう)
・国後島(くなしりとう)
・色丹島(しこたんとう)
・歯舞群島(はばまいぐんとう)
を「北方領土」といいます。
領土問題
国際法上、日本固有の領土なのですが、
ロシアによる不法占拠が戦後から今日まで続いています。
戦前から北方領土に住んでいた現地の日本人は
強制的に退去させられました。
日本政府は外交交渉を通じて、
ロシアに北方領土の返還を求めていますが、
ロシア政府はこれを受け入れない強硬な姿勢をとっています。
歴史
1945年8月 1万7000人以上の日本人が北方領土で生活
~第二次世界大戦で日本が敗戦~
日本がポツダム宣言受諾前にソ連(当時のロシア)軍は北方領土を占領
ソ連は北方領土の自国領への編入を宣言
1947年7月 北方領土の現地の日本人が強制退去
1951年 サンフランシスコ平和条約が締結
→日本、アメリカは「北方領土4島は日本の領土」、
ロシア「放棄した領土に北方領土4島も含まれる」と見解の違いがあった。
また、この時ソ連はサンフランシスコ平和条約に調印していないので、
無効という主張もあります。
1956年 日ソ共同宣言(日本とソ連の国交回復)
→同時に平和条約締結に向けた交渉と、
条約締結後に歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すことが宣言
~ソ連崩壊~
ソ連崩壊後も条約締結に向け、交渉はロシアに引き継がれる。
1991年 日本とロシアの間に領土問題があることを公式認定
現在でもロシアによる不法占拠が続いている。
両国間の考え
日本
日本は北方領土4島は日本固有の領土であり、
平和条約締結のためにも早期の返還を求めています。
ロシア
ロシアは
・「北方領土は、第二次世界大戦の戦勝国であるソ連が正当に獲得した領土である」
・「日本はサンフランシスコ平和条約にて千島列島の領有権を放棄しており、北方領土は千島列島に含まれる」
という立場を示しています。
また、もし返還後に北方領土にアメリカ軍基地が置かれたら、
自国の目と鼻の先に敵国がいる状態になってしまう。
そうすると、ミサイルがモスクワまで数分で到達してしまう状況になるので、
それは阻止したいのが本音です。
日本が返還後にアメリカ軍を配備しないと
確約するまでは渡せないと強硬姿勢をロシアはとっています。
外交交渉の方針
日本政府が繰り返しているのが北方領土4島の返還(四島返還論)ですが、
そのままでは交渉が進みません。
そこで、1956年の日ソ共同宣言に基づいて、
平和条約の締結後に色丹島と歯舞群島から返還の実現を目指す「二島返還論」
という方針がとられました。
そのほかにも案は出ており、
・「二島先行返還論」
→色丹島と歯舞群島の返還を実現させた後に択捉島と国後島については交渉を継続する
・「二島返還論」
→色丹島と歯舞群島の返還で決着を図る
・「二島返還+α論」
→二島返還に加えて択捉島と国後島への経済的な進出を目指す
ロシア政府も「二島返還論」に近い主張として「二島譲渡論」を提唱。
これは北方領土を日本に「返還」するのではなく、
ロシア領である色丹島と歯舞群島を「善意によって譲渡する」
ことで決着を図ろうとする動きもありました。
参考動画はこちら↓