国連安全保障理事会とは
みなさん、一度は聞いたことがあるであろう安保理。
国連が組織する機関で、どのような役割を担っているかまでは知らない人が多いと思います。
戦争や侵略行為、北朝鮮のミサイル発射などの際にはニュースで安保理の会合が開かれたと流れます。
今回はそんな安保理について分かりやすく解説していきます。
安全保障理事会とは?
「国際連合安全保障理事会」のことを指し、略して「安保理」と呼ばれることもある。
国際連合(国連)の最高意思決定機関。
即ち、国連がどのように決定する「国連の頭脳」や「国連の取締役会」
を担っている。
例えば、どの国に制裁するかどうかを決定するイメージです。
安保理のメンバーは?
安保理は、全15か国がメンバーになります。
このうちの5か国が「常任理事国」、残りの10か国が「非常任理事国」
と呼ばれます。
常任理事国
常任理事国とは、入れ替わりは無く、常にメンバーとして君臨している5か国のことを指します。
いわゆる、国連のトップ大国5か国であり、その内訳は
・アメリカ
・イギリス
・フランス
・中国
・ロシア
です。
非常任理事国
非常任理事国とは、常任理事国とは違い2年おきに入れ替わりがあります。
実は日本の非常任理事国入りは他国と比べてもかなり多く、国連での存在感を示しているとも言えます。
拒否権とは?
基本、常任理事国と非常任理事国の15か国の多数決で国連の意思決定はされるのですが、常任理事国の5か国は拒否権というものを持っています。
拒否権とは常任理事国のもつ特権の一つです。
例えば、14か国が賛成しても、拒否権を持つ常任理事国の1か国が拒否権を発動すれば、反対として決定されるというものです。
北朝鮮の度重なるミサイル実験、核実験にアメリカや日本などは反対し、国連として経済制裁を加えようとしましたが、中国とロシアが拒否権を発動し、何度も北朝鮮への強力な経済制裁ができていない状態が続いています。
→2017年に一度だけ中国、ロシアが拒否権を発動しず、北朝鮮への経済制裁が実現
アメリカ、日本、イギリス、フランスなどが北朝鮮へのより強い経済制裁を求めていますが、中国、ロシアがこれに反対し、拒否権を発動。
国連として、一致した動きはとれていないのが現状です。
しかし、国連が拒否権により機能不全に陥った時に開かれるのが
「国連総会緊急特別会合」
通称「緊急会合」
国連総会緊急特別会合とは?
拒否権を持つ常任理事国による国連の機能不全を打開するための会議。
この会合では常任理事国でも拒否権はなく、賛成・反対・棄権のどれかに投票する必要がある。
しかし、法的拘束力はないため、国際的な孤立を狙うのが目的。
ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、
2022年3月に40年ぶりに開かれましたが、その時は
賛成 141か国
反対 5か国
棄権 35か国
とロシアの孤立化が鮮明になりました。
採決時にはスタンディングオベーションが起こった。
国連事務総長の意見
ロシアのウクライナ侵攻に対して、
国連のグテレス事務総長はロシアを批判しました。
これはかなり異例なことですが、これにも何も意味はありません。
ロシアが常任理事国である以上、
PKO(国連平和維持活動)目的の国連軍は派遣できないからです。